───ガラッ。
教室のドアが開いた。
「はよー。 ん? お前ら、何してんだよ?」
能天気にそう言って入ってきたのは、緒方くんだった。
「なんもないよー」
「てか、あんた遅刻ギリギリ」
環ちゃん達は、緒方くんにさっきの話をしないようだ。
私も合わせよう!
「間にあったから、遅刻じゃねーよ」
そう言って、ドカッと私の後ろの席に座る緒方くん。
それと同時に、タイミングよく先生が入ってきた。
環ちゃんと皐月ちゃんは、自分の席に向かう。
吉田くんは、私をジーッと見つめていて。
首をかしげると、私のもとまできて、そっと耳打ちをした。
「頑張ってね!」
そしてウィンクしてから、自分の席に着いたのだった。
いきなりのひそひそ話にびっくりしながら、私も席についた。


