「凪が産まれた時、間に合わなかったんだけど、病室に来るなり鬼のような形相で凪を覗き込んだから凪、泣き出したのよ?まだ見えないはずだけど、雰囲気が怖かったんじゃないかしら?」



とクスクス笑う



「…」



黙り込む俺と親父



二人揃って、貧乏揺すりをするから、それにまた母さんが笑う



“フギャー”



元気よく…とまではいかないけれど、泣き声が聞こえた



しばらくして、手術室から先生が出てきて…



「お子さんは無事です、ただ…お母さんがあまり状態がよくありません」



先生の言葉に、心臓が大きく跳ねた