涙が止まらない・・・アキコは声を殺して泣いた。引き裂かれそうなくらい痛む胸を押さえ、小さくなって泣き続けた。












お昼時、社内の食堂でぽつんと一人A定食にも手をつけずにいた。
「・・・・・・・」

ユウは悩んでいた。日に日に不安が大きくなってゆく・・・

「・・・・・・・・」
「どしたのユウ?珍しく真面目なカオしちゃって」

待ち合わせていたサエが遅れて食堂に現れ、ユウの顔を見るなり言った。

「ん・・・実は・・」
思い切ってサエに悩みを打ち明けてみた。
サエが鋭い目でユウを見詰める。
「・・・え?ウソまじで?」

黙って頷く。

「・・・試してみたわけ?」

「え?」

「妊娠検査薬」

今度はユウが真っ赤な顔でサエを見詰める。
「あ・・いやそれはまだ・・・」

小さな声で答え、ごまかす様に定食を頬張る。

「調べてみたら?・・・白黒はっきりした方がサッパリするじゃない」

「・・・白黒つけて黒だったら?」

「う・・・・!けどモヤモヤしてるよりいーじゃん!」

「・・・サエちゃん・・声大きいから・・」
「あゴメン・・・でもホラ妊娠してたとしたら早い方が・・・ね?」

「?早い方が?」

「おろすんでしょ、もちろん?」

「!!!!!」

<そ・・・そんな事考えてもなかった・・>

「サエちゃんワタシ・・・」

「アタシが買ってきてあげようか?アンタ買いづらいでしょ」

「・・・・・」

「それか医者で調べてもらうか・・・もしかしたら妊娠じゃなくてストレスとか鉄分不足とかカモしれないし」
「・・・・うん・・」
ユウは食欲が無くなり定食にはほとんど手をつけずに昼休みを終えた。


<・・・・医者に言ってみようかな・・・前から貧血気味だしもしかしたら、血の気が少ないとかだったりして・・・・サエちゃんも言ってたもんね、最近忙しいからストレスで周期が狂ってるのかも・・・>

そう思うと少しだけユウの不安は小さくなった。

<明日にでも病院行ってみよう・・・>

<きっとストレスよね>

自分に言い聞かせる様に頷いた。