日曜日、今日はケンチとデートの約束がある。


「・・・・・・」

髪の毛ボサボサ爆発状態のユウが目覚める。
「・・・・・・」

ボリボリボリ・・・まだ半分しか目が開いてない状態で、頭を掻く・・・

「体だる・・・・」

約束の時間まで2時間・・・ユウは体調が良くないので、しばらくゴロゴロして様子を見ることにした。

「・・・ふぅ・・頭クラクラする・・・」
誰に言うワケでもなく呟く。
時計はもうすぐ午前9時になるところ・・・
時間を確認すると、ユウは目を閉じて再び眠りについた。















《♪♪・・♪♪♪・・♪♪♪♪》

着信音が鳴り、ズボンのポケットから携帯を取り出す。

《ごめん
具合悪いから今日は会えない・・・ごめん》
「!!!!!」

《風邪か?!病院は行ったのか?》

「病院は休みだっつの・・・バカ」

クスリと笑って呟く。・・・・・ほどの余裕はない。

「ああ〜〜〜マジでヤバイ・・吐きそう」

携帯をとじてまた眠る。

時計はもうすぐ正午を指すところ。
けれどユウは体を起こせず横になっている。
具合が悪く・・・しかも動けないのですることもない・・・・・そんな時はついつい弱気になって、ネガティブな考えが頭をグルグル回るもの。



<あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ダル・・・何でこんなに体がダルいんだろ・・・・何か熱っぽいし吐き気もするし・・・・・・最悪だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜>

ふっとサエの言葉を思い出す。


〜妊娠したと思って・・〜

〜妊娠したと思って・・〜

〜妊娠したと思って・・〜

サエの言ったフレーズが、ユウの頭の中で木霊(こだま)する。


<妊娠?!?!?!!!>

カッ!!!と目を見開き、青ざめる。

<ウ・・ウソ!!!え・・・・イヤイヤイヤほんと有り得ないって!!!>

変な汗がダラダラダラダラ流れてくる。

<いや・・・そりゃ・・・・絶対とは言えないけど・・・・・・・・いやいやいやいやっナイナイナイナイ!!!!!そこらへんは、ちゃんとしてるつもりだし・・つもりって・・・・・・うあ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!>


頭を掻きむしる、そして悪化する。