帰りの電車の中で、チカチカと光る携帯に気付く。

《お疲れ
気をつけて帰れよ》


《キミこそね》

《おう、寄り道すんなよ》

《子供じゃないっつーの!》

《ユウちゃんは子供だろ?(^_^)》

<きぃぃ〜〜〜〜!!!>

ハラは立っても顔はニヤけている。

「バカなヤツ・・ふふっ」

《ばぁ〜か!》

ガタゴトガタゴト・・・揺れる電車の中で、ケンチの温もりを感じるユウがドアにもたれながら、ガラスに映る自分のニヤけた顔に苦笑いして夜空を見上げた。

キラキラと星が浮かび、黄色い満月が闇を照らしている。

<・・・・明日も晴れそうだ>



そんな事ユウは思いながら月を見て笑った。
きっと今頃ケンチも同じこの黄色い月を眺めているにちがいない・・・だって、こんなにキレイなのだから・・・・・・。



♪♪♪♪・・♪♪♪・・♪♪


携帯が鳴る。

携帯を開くと新着メール。


《綺麗な満月だよ》


ユウはメールに微笑んだ。