罰ゲーム

「はい、ありがとう」

「滝村優弥…下の名前優弥って言うんだ」

「え?知らなかったの?」

「興味ないし」




それは俺の気を引こうとしてやってるのではなく、本気で興味がない声音。





俺に話しかけてくる女子は殆どが2パターン。一つは目に見えて好意がある奴が積極的に話しかけてくるパターン。





もう一つは興味のない振りをして、俺の関心をひこうとするパターン。




でも高坂はその二つに当てはまらない。相当演技が上手くて俺を騙している可能性はあるが、スマホを放ってくる時点でその心配はなさそうだ。




「これで用は済んだでしょ?帰っていい?」

「一緒に帰ろう?カップルは普通そうしない?」

「……話す事ないんだけど」

「それでもいいよ」




それなら、と彼女も了承してくれた。生徒玄関で靴を履き替え、すっかりオレンジ色に染められた空を見上げる。




パシャリ。





そんな音がして思わず隣を見た。高坂はスマホのカメラを空に向け写真を撮っていた。





その表情は普段無表情な頬が緩み、優しい顔つきになっていた。