「ねー、涼太?」 「んー?」 視線はテレビの画面のまま、気のない返事。 こんなことで腹を立てたりはしません。 なんたって3年の関係ですから、慣れっこです。 「今度さー、不動産屋でも行ってみない?」 「なんでー?」 語尾をだらだらと伸ばしているのは、半分くらいしか聞いていない証拠。 むしろ、半分も聞いていないだろう。 今、「明日にでも入籍しようか?」なんて言っても、「はーい」とか答えそう。