今日は文化祭。うちではメイドカフェを開催することになった。天野も読んでるんだ。「優香〜!似合ってるよーメイド服」「花こそ…」花は可愛いからメイド服なんて似合うんだろうけど私は似合わないよ…「天野のハート撃ち抜いてきなさい!」や、あのね花。本当似合わないしそもそも天野来てくれるかどうかも分からないんだよ?「来るよ。天野は来る。それまで接客!」「ちょ、わぁ!」どんっと押されれてついたのは何人かの男子グループの席。もー花ったら…
「あの…ご注文は」「君可愛いねー」え⁉︎可愛い⁉︎「あの…ご注文…」「今日空いてる?」もしかしてナンパ?「あの、そういうのは受け付けておりません」と言ったけど「そーんな事言わないで。ね?遊ぶだけでいいから」と腕を掴まれる。やだ…!「すみませんが、離してくれませんか」あ、天野…「あ?なんだよお前」男は天野を睨みながらも私の腕を掴む。…痛い。この男強く掴みすぎ。「離せっつってんだよ!」天野はその男を軽く殴ると私の手に自分の手を絡ませて教室を出た。
「ありがとう。天野…」天野と手を繋いでると分かる。天野の手…大っきい。
あったかい。
…ドキン、ドキン。
聞こえそうなくらいになる心臓の音。ふと顔をあげればかっこいい天野の後ろ姿。「…今田。大丈夫だった?」くるりと振り向いて私に聞いてくる。「うん。天野が助けてくれたから…