梓side*


「ここ、よく来るの?」

「んー⋯たまに」


たまに⋯

「わっ、私もまた来ていいかなっ?」

「うん、いいよ」


森田くんは優しく笑って返す


ふわぁ

こんな優しい気分になる自分が居て少し戸惑う


あっ⋯ごめんよ橘

お先に彼氏つくっちゃうよ


「梓っ!」

は⋯


「橘!?⋯」

何でここに居るの

ってか!


「手、離してよ!」

結構握ってる力強いんですけど!?


「は?やだし、行くぞ」

やだしって⋯子供かよ!


「離してっ!ズルいぞ」

後もうちょいで念願の初彼氏がーー!




ズルズル

そのまま橘に引きずられる


あ⋯終わった



屋上を出て階段まで連れてかれる


「⋯何してくれてんのよ」

キッと睨み付ける