空っぽの人。 喜怒哀楽に乏しい、感情の“使い所”が分からぬ男は、いざその時になれば――“こうなる”。 「お前だって、空っぽだろうに」 「あなたよりは、入っていますよ」 言って、“猫”に『お返し』をされた。 「半分ぐらい、貰えないかな」 「あげませんよ。自分で勝手に入れていってください」 酷いなぁと言うカルツ。されども、どこか嬉しそうに言うのだった。