車で走ること数十分後。



朝永家に着いた。


でも...

「気を遣わなくていいんですよ?ここ、本当の朝永家じゃないんでしょ?」



そう言うと、春真さんと叶さんは驚いた顔をした。


「なぜ美紀がそんなことを...」


春真さんが呟くように言った。



「運転手さん、"朝永組"に向かってください。命令です」



有無を言わさぬように、殺気を軽く出しながらニヤリと笑って見せた。




なにも言わず、車は朝永組へと再び動き出した。