皆はあたしが刺されると思っていたのだろう。
刃物を蹴り上げたことと男の名前を呼んだことで唖然としている。
「美紀......さん?俺、俺!!」
そう言うと、声を押し殺しあたしの腕の中で泣いてしまった。
「大丈夫だよ。あたしが守るから」
そう、理玖は黒蝶の下っ端なのだ。
「皆さん、あんな事してすいませんでした。」
泣き止んだ理玖は、その場にいた皆に謝った。
「あたしからもお願いします。理玖を許してください。きっと何か理由があったんです。」
あたしはまだ立てない理玖を支えながら、2人で頭を下げた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…