side.東
本当に”みー”なんだ...。
美紀は俺の初恋だった。
でもある日、兄貴が倒れたという知らせが病院からきた。
急いで親父とお袋と俺で病院にいったが、病室のベッドで眠っていた兄貴は、兄貴であって、兄貴じゃない。
幼い俺には、ワケがわからなかった。
その後知ったのは、兄貴が美紀を庇ったこと。
美紀が責任を感じて、居なくなってしまったこと。
それだけだった。
親父とお袋は、血なまこになって探したが、本当の子供じゃないと言うことと、どこかが警察に探させないように圧力をかけている。
その理由で、警察は捜査を打ち切った。
その頃の俺には、荷が重すぎて美紀のことを必死に忘れようとしたんだ。
でも今、智也の姉として出会えたこともきっと何かの縁だろう。
でも、”黒田組が攻めてくる”とか”お見合い”っていうのが気になる。
それに、「今日の夜中に行くって伝えておいて」っていうのも気になる。
あとで、黒連の幹部で相談するか。
なんて、ずっと考えていると電話を終わらしたらしい美紀が兄貴のベッドの近くに戻ろうとしていると...
美「なんでこんなとこにいんのよ!!」
という美紀の叫び声が聞こえてきた。