...スキナヒト...すきなひと...好きな人?!
「なっ、なに言ってるの拓!あ、あ、あたしに好きな人なんて?!」
おそらくあたしの顔は真っ赤だろう。
そう言うと周りの皆は食い入るように見てくる。
赤かった顔がもっと赤くなる。
「いるの?」
そう聞いてきた。
「...る...。」
『え?』
あたしの声が小さかったのか聞き返してきた。
「いるわよ!好きな人くらい!!」
好きな人とは東のこと。
拓には嘘つけないもんね。
『そっか!応援するからね!』
「ありがとう、拓。」
『いえいえ』
きっと笑ってるんだろう。
声が嬉しそうだからだ。
「それより拓。喧嘩してたでしょ?」

