「東雲。結城財閥を潰しなさい。そして、あの方の会社をうちの系列にまわしなさい。」
あの方とは父さんのこと。
「了解です。お嬢様。」
礼儀正しくお辞儀をする。
「なに言ってるんだ。こんな小娘ごときに何ができる。」
結城太郎が嘲笑うように言う。
「美紀やめるんだ。美紀が危なくなる!」
「大丈夫ですわ。ご心配ありがとうございます。」
そう言ってニコッと笑って見せた。
「お嬢様、準備できました。」
「結城太郎。貴方達は汚いことをしすぎた。刑務所で反省なさい。」
「社長。お電話です。」
向こうの執事が結城に向かって言う。
きっと、会社が潰れたという報告だろう。
「なんだと?!轟財閥に潰されただと?!」
「美紀、貴女は一体何者なの?」
叶さんが今までの一連を見て不安そうに聞いてきた。
「申し遅れました。私、轟財閥令嬢兼現副社長の轟美紀と申します。」
あたしは、またニコッと笑って言って見せた。