皆があたしを見て道を開け、ざわざわと噂をする。
なぜかと言うと、あたしはなぜか財閥界のプリンセスと呼ばれている。
そしてそのプリンセスはなかなかパーティには現れず、見れるといいことがあるとまで言われているからなのだ。
「美紀?美紀なの?」
智也のお父さんろお母さん...分からなくなるから父さんと母さんにしよう。
母さんが呟くように言った。
「えぇ。そうです。」
あたしは、財閥の時の一人称は私になり、言葉も丁寧になるよう躾けられた。
「この女はなんだ?お前らの娘か?」
結城財閥の社長...結城太郎は、私のことを知らないようで、こんなことを言ってきた。
ーざわざわ
周りざわつく。
そりゃプリンセスにそんなこと言ったらそうなるわよね。
「なら、そこの男とセットで貰っていく。」
智也を指差しながら言う。
「おい、口を謹め。お嬢様に向かってなんてことを言う?!」
東雲は怒っている。
普段は秋夜って呼んでるけど、パーティや皆様の前だと東雲と呼ぶ。
春真さん達も異変に気付いたのか、こっちの方へ来た。
そろそろ正体明かすか。

