皆に聞こえるように、スピーカーにしてかけることにした。
ープルルルルルルル
ーガチャ
ワンコールで出た。
『もしもし?』
「美紀、今どこにいるんだ!心配するだろ?!」
俺はそう口走っていた。
『ごめんなさい。でも今は安全な所にいるから大丈夫だよ!!』
『ーガチャ』
美紀がそう言った時、電話の向こうで扉を開けるような音がした。
『拓?うわっ、拓お酒飲んだでしょ。』
拓?拓って誰だ?名前からして男だよな。
そう考えると、自分の中で黒い感情がふつふつと湧いてくる。
そのまま皆とアイコンタクトで、電話越しに話を聞いていることにした。
『美紀〜!』
『ードサッ』
ドサッ?!
『ちょっ!拓やめてよ!』
美紀?何があったんだ?
『俺に押し倒される気分はどう?美紀。』
美紀!?無事なのか?!

