嵐に抱きしめてもらったまま、あたしは会話を続けた。
「それで、龍弥の無事を確認したいんだが、龍弥を出せ」
『お、おい龍弥。美紀って人が代われって....』
龍弥?下の名前で龍弥を呼んでいる。どういうことだ?
『美紀さん!!』
「龍弥!無事だったか?」
『はい!俺は無事ですが...。毒牙の人たちが...。いいやつらなんです!!助けてください!!』
やっぱりか。
実はさっきから逆探知をしながら、毒牙をハッキングしていたのだ。
その内容は、黒田組が毒牙を脅しているということ。
毒牙という族は、悪い事はなにもしていない。しかし、名前が恐ろしい名前なだけに変な噂を流されているという事だった。
予想通りだな。
「あぁ、分かってるよ。皆助けてやる。だから安心して待ってろ。」
『はい!待ってます!』
ーブチッ
ーツーツーツー
さぁて、勝負に行くか。

