最初は話したこともないきみに、告白されたときは疑問しかなくて。
こんなふうに付き合うことなんて想像もしてなかった。でも、告白されて気づいたことがたくさんあったの。
たとえば、授業中よく寝てることとか。いつもクラスの中心にきみがいることとか。
可愛い系なのにたまに強引になるとことか。
いままで知らなかったきみをたくさん知れた。あたしにだけ見せる特別なきみ。
「優葉、優葉」
「ん、なに?」
ほら、そうやってにっこり笑いかけてくれるところとか。
すきだよ。
「だいすき」
溢れた想いを伝えるために、あたしは背伸びをした。
ちゅっときみの頬に触れたあたしの唇。2秒くらい見つめたあと、ニッといたずらっ子のような笑みを浮かべるときみの顔は真っ赤になった。
「ちょっ…、それ反則…」
そう言って顔を隠したいのかぎゅっと抱きしめてくる。
そんな優しい腕もすき。優葉の全部が、だいすき。
「……おれの方が、あすなのことだいすきだから」
きみは不貞腐れたように言うと、噛み付くようにキスした。
きみに負けないくらい、あたしもだいすき。
-end-