「……あすな」
「……」
あたしの真後ろには宇都宮くん。耳に吐息がかかるくらい近くて、心臓がばくばくいってる。
…いろんな意味で、だけど。
「もー、マジ勘弁して…。おれの寿命が持たないよ……」
「……ごめんなさい…」
あたしのお腹には宇都宮くんの手が回ってて、左手は掴まれている。
そんなシチュエーションはだれでも萌えるけれど、あたしの場合は違う。
「ね、無理に作んなくてよかったのに」
「……申し訳ない」
数分前。あたしはさあ、おかゆを作ろう!!と意気込んで台所に立った。
まあ、そこまではいい。でも問題はそのあと。おかゆくらい簡単に作れると思ってナメてたあたしがだめだった。

