「…なんか食べた?」
「んー?…んー、なーんにも」
「少しくらい食べなよ…」
そうは言っても病人だから、動くのもつらい…かな…。
しょうがない…。何か作ってあげようかな。今まで料理なんてやったことないけど、なるようになるかな?
「あすな、作ってくれるの?」
「んー…できるかわかんないけど、とりあえずやってみる」
まあ、物は試しだよね!人間やればできるっ!
その意気込みで台所に立ったけれど、何やればいいの?風邪引いたときってよくおかゆ食べるよね?
おかゆ、でいいかな…?
「よし、がんばる!」
「おー、たのしみ〜」
ソファーの上でニコニコとしている宇都宮くんから視線を外し、鍋を取り出す。
「(…できるか心配になってきた)」
なるようになる精神は料理には向かないかもしれない。

