「あすなは?」
「え?」
「兄弟、いるの?」
「ああ…と、妹がひとり…」
「妹…。きっとあすなに似てかわいいだろうね」
そう言ってくすくす笑う宇都宮くんに、あたしは顔に熱が集まるのがわかった。
こっ、この人は風邪を引いてもストレートに言葉を投げ付けてくるのっ!?
それに、顔が赤いから少し…色っぽく感じる。なんだかいつもの宇都宮くんじゃないみたい…。
「そ、そういえばっ!」
「ん…」
「く、薬は飲んだ…?」
話を逸らそうと出た話題が、薬って…。無計画に喋り出したあたしがだめだった…。
「薬?…あー、飲んでないかも」
かもって…。

