つぎの日の朝。珍しい出来事があった。
それは…―――
「宇都宮ー…は、今日は休みか」
―――…そう。今先生が言ったように、あたしの隣の席の住人である宇都宮くんが休みなのだ。
少しくらいの熱があってもヘーキで学校に来てた宇都宮くんが珍しい…。
ムードメーカーのような存在の宇都宮くんはクラスの人気者で、そんな人気者が居ないことにみんなは不服のようだった。
「えーっ!優葉、休みなのー?」
「なんでー?」
クラスのその声に先生はんー、と首を捻りながら一言「風邪だ」と言った。
風邪……。大丈夫なのかな…。
「風邪!?あの優葉がっ?」
「嘘だろ、ありえねえ…。あいつ熱あっても学校来るバカじゃん!」
ああ…。きっとこの場に宇都宮くんが居たら反論して、みんな笑ってるんだろうな…。
そう思うと、少しだけ…寂しく思えた。