早速目に飛び込んで来たのは彼、“宇都宮 優葉”くん。眠そうな顔をしつつも女子に返事を返している。
彼はあたしの隣の席の住人で、容姿は可愛いし、仕草も可愛いし、身長も男子の平均より低いしで女子からとても人気がある。
たまに寝癖をつけたまま学校に来ている時があって、そんな時は女子からの視線がものすごい事になってることは、きっと本人は知らない…と思う。
……そんな彼とあたしは一度も喋ったことはないけれど。
「相変わらず人気者ね、優葉くん」
「んー…そうだねー」
「隣の席なのに話したことないなんてほんと不思議…」
そんなことを言われても、喋ることがないのだからしょうがない。
まぁ…可愛いとは思ってるけど。
「いつも寝てるし…」
「確かに。話す機会なんてないか」
そう言って優香は呆れたように笑った。
すると担任が入ってきて、出席を取り終えるとSHRが始まった。