四季。彼女を亡くした冬




彼女を守りたかった4年間、俺はなにをしていたんだろう。

泣き止まない彼女の、傷の癒えない彼女の、なににそんな疲れていたんだろう。

なにひとつとして、救えなかったのに。


『儚い』という言葉がぴったりの彼女の笑顔が好きだった。

無邪気に笑うのに風が吹けばとけてしまいそうな、そんな笑顔。

俺の腕にすり寄って、眠るときは脚を絡ませて、人の膝枕でくつろぐ、どろどろに甘ったれな彼女が好きだった。

食べ物の好き嫌いが多い彼女が大好物の干し梅を食べるときに見せる顔。

無愛想な俺の手をあたたかいと言って寄せた頬の感触。

やわらかくあまい香りの髪。

アレルギーのクセに猫を追う後ろ姿。

俺の誕生日に作ったチーズケーキ。

甘えて俺の名前を呼ぶ声。

愛ってよくわからないと拗ねた横顔。

訳のわからない寝言とあどけない寝顔。

俺を欲しがるあまい身体。

初めてセックスしたときに、俺が好きだと言って流した涙。


細かい癖からその存在まで、彼女の好きなところはいくつでもあるのに、その内のどれくらいを彼女に伝えられただろう。

何度彼女に好きだと言えただろう。