四季。彼女を亡くした冬




ひとり残された部屋で最後に彼女を抱きしめた場所に座り、受け取った手紙を読んだ。


きれいな字で書かれたその手紙を読み終えても目は乾く一方で、涙は1滴たりとも浮かばなかった。

無地の便箋を同じ無地の封筒にしまい、床に置いた。


ポケットから携帯を取り出し、留守電を知らせるアイコンを開く。

あの日の日付のものだった。

彼女の死を聞かされた病院で留守電には気付いていたけど、どうしても聞けなかった。

彼女の声で、彼女が俺に遺した死の前兆を聞きたくなかった。

後悔することはわかっていたから。


でも彼女が留守電を残し、死んでいったこの部屋でなら、まだ彼女の恨み辛みを聞いても自分を許せる気がした。

長い躊躇いのあと再生を押して、携帯を耳元に近付ける。

もうそこにしかない、彼女の声を求めて。



“………平良…?わたし平良がいないなら生きていけない…。もう苦しいよ。平良のこと大好きだけど、たぶん同じくらい恨んでる。ひとりにしないでよ…。もう、つらいよ。……ねぇ、平良…………”