母親にしがみ付かれた身体は鈍く揺れた。 冬の空気が彼女の持っていた熱を攫って、彼女からなにもかもが抜け落ちていこうとしているのがわかった。 『四季…っおい、四季…!!』 震える手で濡れた彼女の身体を抱きしめる。 鉛みたいだった。 なぜか甘いにおいがした。 よく見えなかったけど、見たくもなかった。 怖いと思った。 濡れた身体。 冷たい身体。 重たい身体。 甘いにおい。 赤黒い血。 近付くサイレン。 閉じた瞳。 返事のない、名前。 『四季!!!』