何度かそうしている内にドアの向こうから、誰ですか?と言う男の人の声が聞こえた。
彼女の父親だった。
『あ、俺です!篠原です!四季がっ!!』
『平良くん?』
バカみたいに吠える俺相手によくドアを開けてくれたと思う。
『あのっ…四季が!ちょっとすいません!』
『あっ!平良くん!?』
半ば押しのける形で家の中に入り、靴はどこかにすっ飛んでしまった。
廊下で不安気に様子を伺っていた彼女の母親には目もくれず一目散に彼女の部屋を目指した。
『おいっ!四季!開けるぞ…っ』
勢いよく開けたドアがやけに軽く感じた。
カーテンのかかっていない部屋は家の外の街灯でうっすらと中の様子を浮かび上がらせていた。



