四季。彼女を亡くした冬




『携帯どうしたの!?四季から連絡きてない?四季いま薬飲んでラリっててやばいよ!』

『…は?薬?…なにやってんだよあいつ』

『わかんないよ!…とにかくあたしもいま四季の家向かってるから!篠原くんも早く行ってあげて!』

『あぁ…わかった。ありがと。じゃ』

通話を切って財布から金を取り出し携帯と一緒に連れに渡した。

『篠原帰んのー?』

『わり、先帰るわ。あとよろしく』

酒を飲んだ足元が若干ふらついたけど走れないほどではなかった。

車で寝て帰るつもりで1番安いパーキングに停めたから、駅前の居酒屋からは遠くてイラついた。


正直彼女にもイラついていた。

たまの飲み会に水を指すような行為。

そんなに俺が飲みに行くのがいやなのか?

そのころの彼女はなぜかあまり友達との集まりに参加しなくなっていたけど、それを俺にも押し付ける意味がわからなかった。

休みの日はずっと一緒にいなきゃいけないのかよ。