四季。彼女を亡くした冬




20歳になった冬の、中学からの連れ達との飲み会だった。

前日から彼女とつまらないことで喧嘩をしていて、携帯を車の中に置いてきていた。

そうすることで彼女の嫉妬や束縛から解放される気がしたし、他の女から連絡先とか聞かれても携帯を忘れたとうまくかわせると思ったからだった。


懐かしい話や最近の話に花が咲いて、夜は更けていく。

そして喧嘩していても大切な彼女と行く行くは一緒になりたいなんて話しているときだった。

彼女とも親しい連れが酔いながら俺に自分の携帯を投げてよこした。

『篠原ー。おまえに代われってよ』

『…は?俺?…もしもし』

『あ、篠原くんっ?庄司だけど!』

液晶の名前も見ようともせず不信感丸出しで電話に出ると、俺もよく知る彼女と仲のいい友達だった。

前にみんなで遊んだときに連れと連絡先を交換していたらしかった。