そのとき男は初めて安達君に気付いたようで、ヒッ!と小さく悲鳴をあげた。
『あ…安達…!!』
安達君は男の腕をつかんだままマジマジと男の顔を見る。
『…誰だ、てめぇ。』
そう言って私の肩から男の腕を振りほどいた。
そして、さりげなく私と男の間に入った。
『女がいやがってんのに無理矢理連れてくとか最低だな。』
そう言ってフッと笑う。
男は慌てたように言う。
『お、おおお前!!清水に言うぞ!!?言われたくなかったら女をこっちに渡せぇ!!!!!!!!』
すると、安達君はピクッと反応して低くい声で言った。
『お前…清水の手下なのか?』


