口の中にほんのり甘いココアの香りがする。 『…おいしい…』 そう無意識に呟くと空はニコリと笑った。 『あ、ねぇ!学園祭って…蓮夜さん来る?』 空からの突然の質問。 『え…?んー…来るんじゃない?安達君に聞いてみるよ』 そう言うと空は『ふ、ふーん』と真っ赤な顔で言う。 …え? 空、もしかして…。 『蓮夜さんが…』 そう言うとバシッと叩かれた。 『そんな訳ないでしょ!?バ、バカじゃないの!??』 プイッと顔を反らして教室から出ていった。 『…いたい』 静かな教室に私の声が響いた。