なんだ、ボールプールって――と思う前に、彼が指差す方見て、絶句してしまう。
水の代わりにカラフルなボールがたくさん入った遊具。幼稚園児がボールにダイブし、投げて、きゃっきゃっとはしゃぐ、見るからにザ・お子ちゃま専用な場所に彼は行くと――
「いやいやいやいやっ」
ないないないない。 彼を引き止め、待ったをする。
「やっぱり季沙名も、きちんと『嫌だ』と言えるんだ」
「あれを嫌だと言わないあなたがおかしいですよ」
「じゃあ、どこで遊ぼうか」
「……」
「すみませーん、大人も入っていいですかー」
「お化け屋敷でいいです!」
そう言った瞬間の彼の笑みと言ったら――
「幸せそうに笑わないで下さいよ」
こんなことで。


