壊れた季沙名。わんわん泣くくせに、叩く手は止まらない。延々と続きそうな、その憂さ晴らしは。
「季沙名、それ以上は手が腫れるよ」
そんな優しい言葉で止まった。
我に返った季沙名がへたり込む。それを確認した克己が、仕返しでもしようものなら。
「俺、季沙名のためならお前殺して刑務所行きでもいいんだけど」
などと耳元でゾッとすることを言われてしまえば、体が固まる。
出来っこない、と克己は逸樹を見るが。
「お前の企み聞いた時から、そのつもりでいたんだ」
背中に感じる“物”で、冷や汗が流れた。
「てめえ、最初っから」
「お前が季沙名に告白した時から、“こうしたかった”」
双子の情から出来ずにいたが、今こうして季沙名が傷つけられたのを間近で見てしまえば。


