何より願うは、綺麗な笑顔



(――)


季沙名の行動を、誰が予期したであろう。


先に驚いたのは逸樹。視界にバッグを振り上げる季沙名が映り。

一番に驚いたのは克己。誰に殴られたかも分からず振り向けば、バッグを顔面で受け止め気づく。


「て、め……!」


とっさに手が出たが、逸樹に羽交い締めにされ、後はされるがまま。


バッグのフルスイングに、そうして素手の叩き。


「偉くないのに偉そうな態度で、毎回会う度に服装がダサいだの時代遅れだの」


逃げようにも、後ろの逸樹が頑として離さない。足で応戦しようとするが。


「付き合った当日からホテル連れ込もうとしたり、拒否したら叩いて」


怯まない季沙名は、尚も克己に刃向かった。


「人のケータイ勝手に見て、友達すくねーとか笑ったり。かと思えば、男友達の名前あれば浮気だと怒鳴り散らかして」