「だから、お前みたいなのがいるから――」 瀕死の状態でも立ち上がる逸樹で、何かが壊れた気がした。 「季沙名が笑えなくなるんだろうがっ!」 歯向かう逸樹に克己が体を向ける。自然と、私に背を向けたことで、思ったんだ。 無防備な背中。こちらをまったく意識していない背中に思う。 あ、叩けるな――って。