「どうもこうもねえよ。てめえがあんまりにも冷めきってから――彼女のくせに“なってねえから”、調教し直そうかと思ってさ」
その場で崩れる私を克己は見下す。
「まずは自分がどんだけ“ダメな彼女”か知ってもらうために、逸樹に協力してもらったわけ」
『逸樹』の部分で、克己は足元にいる“彼”を見た。
「そっか、逸樹って言うんだ」
今にも気絶しそうなのに、血走った目で私を見、泡ある口で『逃げて』と言う“彼”は。
「したらさ、俺ともしてないのにホテルまで来ちゃって、どーいうことだよ。いくら見た目おんなじでも、分かるだろ?それでも『俺の彼女』かよ」
「克己そっくりの双子がいるなんて、聞いていませんが」
最初から、こんな“遊び”をするために言わなかったんだろうとは分かっていた。


