「それを、笑っちゃいけない理由にしないでよ」
「……。まいりますね」
確かにそうだ。
なんで私、笑うことさえもしなくなったんだか。
「ああ、そうか」
幸せじゃないんだ、私――
彼のように綺麗に笑えない。
退屈な毎日、つまらない女。なあなあと生きていれば分からない――幸せを求めていないから、幸せになんかなれっこないんだ。
「笑うって、どうやるんですか」
幸せって、どうやるんですか。
「季沙名が、傍にいてくれるなら」
「なんですか、それ」
あなたの幸せじゃないですか、と言う一方で緩む口元。
誰かが傍にいる幸せって、共有出来るのか――


