「なんで季沙名、そうやって卑屈に思うかな」
「生まれつきです」
「卑屈な赤ん坊なんていないよ」
「……」
正論を返されたので黙る。
「転機は小学生。私は、世の残酷さを知りました」
ベンチに腰かける。彼の隣。けれども、顔は見ない。
「何が原因かは忘れました。思い出したくもないので。――私はいじめられっ子でした」
クラス全員の標的。今やそれほど珍しくない、残酷な遊び。
「シカトしたかと思えば、コソコソ悪口。人間扱いされずにバイ菌扱い。孤立し、先生に相談すれば、『チクった』とイジメはエスカレート。そんな毎日が続いたある日、私は――“キレました”」
壊れた、と言ってもいい。
イジメへの反撃。今まで押し黙っていたから、奴らは付け上がったんだと――


