何より願うは、綺麗な笑顔



――


「季沙名の肝の強さを舐めていたよ……」


げっそりとベンチに座る彼は、つい先ほど乗ったジェットコースターのダメージが残っているらしい。


「ジェットコースター好きなの?」


「好きなら万歳して、歓喜してますよ」


確かに怖かったが、声を出すほどではない。――もっとも彼は、悲鳴出せないほどひきつっていたが。


「……」


「笑ってる?」


「いえ」


「情けない男だと思われたか……」


「いえいえ。あんなに怒鳴る騒音人間が、こうも静かになるなんて――すみません、やっぱり面白いです」


「なら、笑ってよ」


「そっち系の趣味が?」


「どんな形でも、季沙名の笑った顔が見たい」


「少女漫画でも読んで来ましたか」