もぅ、私が見てみぬフリする理由は消えてた だって高山は、泣いている。 笑ってない。 助けてって、そんなことさえ この教室では誰にも言えないで……… 今なら言ってもいいはずだ 毎日毎日くりかえされた行為が どんなに異常かって。 「調子のってんのはお前らだろ……っ。」 私の掠れた声は、笑い声と罵声で教室中には届かなかった。 だけど、私のすぐ周りがシン……として、 異変に気づいて 徐々に教室の空気が変わって 皆、私を見た。