美しいけど冷淡な貴方へ送る花



彼は何やら電話で
言い争っているようで


「分かったって、」


さっきから溜め息と
分かったばかりを繰り返している。


「おい、俺が濡れてる。」


さっきから彼は
小声で私に文句ばかりを言ってくる。



『ちょっと、何ブツブツ言ってんのよ!聞いてるの!?』


そしてその度に、受話器からは
女性のそんな怒声が聞こえた。




「面倒くさ。」


とうとう、彼は電話を一方的に切った。