男の癖に、細くて綺麗な指だった。 肌は白かった。 声はのびのある、耳障りのいい 澄んだロングトーンの綺麗な声だった。 振り替えると、 真っ黒な髪に真っ黒な瞳で 私を怪訝そうに見つめる 綺麗な男がいた。 「あんた馬鹿なの?」 男は無表情で、なんの心もなく冷めきった様に私に問いかけた。 「そうかもしれない。」 「かもしれないじゃないだろ。」