「日向との別れの挨拶は済んだか?」
「まさか。
あんたとの別れの挨拶でしょう?」
「ハッ、お前、どの口が言ってんだ?」
今井がネットをくぐって私に近寄り、
顎を持ち上げた。
私は怯むことなく今井を睨む。
「そんな怖い顔すんなよ。
これからずっと一緒にいることになるんだからよ、たまったもんじゃねえぜ」
「浜島に気軽に触らないでください」
日向は
今井から私を引き離すと低い声色で言う。
「おーおー、地味男くん?
どのツラ下げて言ってんだ?」
「あなたこそ、
どのツラ下げて浜島に触れているんです?」
両者の間に火花が見えるのはきっと気のせいじゃないと思った。

