With a smile

建都さんは、送り先や、ファイルのある場所、金額など丁寧にゆっくりと説明し、私は
一言も漏らさずそれを書き留めた。

『どう?できそう?』

「はいっ。高島さんに確認してもらいますから」

『うーん、いい返事だ。よろしくね』

「はい。失礼します」

受話器を置くと高島さんが心配そうに覗き込んだ。

建都さんからだったことや内容を伝えて、早速見積を作った。

見積を作るのはよくあるごく普通の仕事で、管理部では簡単な部類に入るが、間違いは決して許されない。

何度も何度も確認して高島さんに見せた。

「うん。完璧」

ウィーーンというFAX送信音を聞きながら、はーっと息をついた。

無事終わった。

やっと仕事をしたという気がしてくる、少しは建都さんの役にたったかな?