びっくりし過ぎて呼吸を忘れた。
「なんか言って・・・、心臓止まりそうだよ」
あ・・・、声が出ない、まだ上手く呼吸が出来てない。
しばらくの沈黙の後、呼吸は戻ったけれど、頭が回らない。
やっと出た私の言葉は最悪だった。
「だって、忘れられない人がいるって・・・」
言いながら、自分でも何言ってるんだろうと思った。
「う・・・ん。そんな事も、あった」
建都さんがすくい上げた砂がサラサラと指の間から流れ落ちた。
落下していく砂粒は時折キラっと光を放ち、小さな山を作る。
「確かに別れてから彼女の事忘れられなくて、まだ好きなんだってずっと思ってた。だけど、忘れられないのは好きな気持ちじゃなくて、捨てられたって事、手を離された、自分を拒否されたっていう痛みだった」
手の下の砂山は少しづつ大きくなっていく。
「親が離婚した時、同じ痛みでやっと気付いた。小さい頃からずっと感じてた鈍い痛み」
「なんか言って・・・、心臓止まりそうだよ」
あ・・・、声が出ない、まだ上手く呼吸が出来てない。
しばらくの沈黙の後、呼吸は戻ったけれど、頭が回らない。
やっと出た私の言葉は最悪だった。
「だって、忘れられない人がいるって・・・」
言いながら、自分でも何言ってるんだろうと思った。
「う・・・ん。そんな事も、あった」
建都さんがすくい上げた砂がサラサラと指の間から流れ落ちた。
落下していく砂粒は時折キラっと光を放ち、小さな山を作る。
「確かに別れてから彼女の事忘れられなくて、まだ好きなんだってずっと思ってた。だけど、忘れられないのは好きな気持ちじゃなくて、捨てられたって事、手を離された、自分を拒否されたっていう痛みだった」
手の下の砂山は少しづつ大きくなっていく。
「親が離婚した時、同じ痛みでやっと気付いた。小さい頃からずっと感じてた鈍い痛み」


