With a smile

「なんでそんなに海外にこだわるんだ?」

感情を押し殺すようにカイさんが口を開いた。

「・・・日本にはいたくない」

絞り出すように言った建都さんの言葉に、カイさんは再び声を荒げた。

「フッ、なんだそれ。逃げんのか?何から?おぼっちゃんの気まぐれだろ」

「何と言われてもかまわない」

「ちょっと仕事で挫折したからってすぐ逃げるのか。苦労知らずでのうのうと生きてきたやつの考えそうな事だな。
やっぱり嫌いだ」

もう、やめて。