With a smile

「奥様、絵がお好きなんですよね?一番景色の良い場所に奥様のアトリエを作りたいって、ご主人が」

「そんな事、本当に・・・」

「はいっ」

青白かった奥さんの頬が、みるみるうちにばら色に色づいていく。

無表情だった顔が笑顔へと変わる。

「出来るかしら?アトリエ」

「もちろんですっ。とびっきり素敵なアトリエ作りましょう!!」

思わず手に取った奥さんの手が強く握り返した。

「キッチン、見に行くんでしょ?」

奥さんの弾んだ声に、ハッと気付く。

そうだった、急がなくちゃ。

もうバッタを捕る事を諦めて、一緒にぴょんぴょん跳ねているユージくんに奥さんが声を掛ける。

「プールに滑り台だって」