「あの……」




「あ?」





窓の外を見てた赤髪くんは、横目であたしを見た。





「拾ってくれたんでしょ?」




――…ありがとう。




そう言おうと口を開きかけた時。







「大翔――!!」





バァン!!と、応接室のドアが大声と共に、勢いよく開いた。






赤髪の男が、ドアの方にゆっくりと顔を向けた。


あたしも、それに続いてドアの方に視線を移すと――――







肩で息をしながら、眉間にしわを寄せてあたしたちを見ている、あのニコニコ笑顔の男。







……どうやら、怒ってるらしい。