急に聞こえてきた声に、ビクンと体が
飛び上がった。
さっきは誰も近くにいなかったはず。
……足音も聞こえなかった。
なのに、振り向いた先には、
「 何してんだ、お前……?」
見たこともないくらい整った顔に、綺麗な赤髪、片耳には黒く光るピアスをつけている背の高い男の人。
「…………」
「……おい」
「………」
「………っち」
男の人は何も言わず、フリーズ状態のあたしに呆れながら、急にグイッとあたしの腕を掴んだ。
「え、ちょっ……何す―――」
「来い」
あたしの言葉を遮り、グイグイと腕を引っ張られる。
「痛っ…ちょっと、離して!!」
聞こえているはずなのに、
「………」
男の人は、何も言わずソファのところで立ち止まり、
「きゃ!?」
あたしをソファに放り捨てた。
「で、ドアのまえで何してた?」